2009年2月15日日曜日

ラジコンヘリのピッチ操作

ラジコンヘリのピッチ操作ですが、ラジコンヘリはメインローターに対してピッチをつけることで空中での移動が可能になります。ピッチのつけ方は2通りで、コレクティブピッチ、水平移動するためのサイクリックピッチです。ジャイロプリセッションが水平移動の基本ですが、メインローターのディスク面が前傾すると、上方へ働いていた力が前方へと分散し、機体は前方へ移動するラジコンヘリは回転するローターのディスク面を傾ければ、機体を前後左右に水平移動させることができます。

この方法のひとつが、メインローターを支えるメインマスト自体を傾けること。しかし、メインマストを傾けるにはヘッド部分の剛性を非常に強固なものにする必要があります。また、エンジンからの動力をダイレクトに伝える部分だけに、その動作による大幅なパワーロスにも繋がります。こうした機械構造的に不利な方法ではなく、ピッチ操作によってローター回転面を傾斜させる方法がサイクリックピッチです。

サイクリックピッチを理解するためには、「ジャイロプリセッション」という仕組みを押さえておく必要があります。ジャイロプリセッションは万有引力のように、一定の質量を持つ回転物に例外なく働く物理的な力で、エレベータダウンのとき、メインローターについたサイクリックピッチの状態ジャイロプリセッションとは、「質量を持ち、なおかつ回転している円盤に、その回転面を傾けるような方向から力が加わると、その力は回転方向に90度遅れた場所に作用する」と定義されています。

「質量を持ち、なおかつ回転している円盤」とは、回転しているメインブレードのディスク面のこと。「その回転面を傾けるような方向」の力とは、図のAのような力のことです。Aの力が「90度遅れた場所に作用する」ということは、つまり図のBのポイントに作用するということです。Bのポイントに突き上げる力が加わった機体は、ローターのディスク面が前方に傾けられ、その結果前方に移動していきます。